アートイベント・レポート
あいちトリエンナーレ2013に行きました!
10/01
【開催地:愛知県 開催日程:2013.8.10~2013.10.27】
愛知芸術センターを中心に、名古屋地区、岡崎地区と市内のいたるところでアート作品に触れることができる「あいちトリエンナーレ2013」。第2回目となる今回は国内外から122組のアーティストが参加する大規模な国際芸術祭だ。Art Life Pressスタッフも訪れたので、その一部をレポートする。
町全体とアートが融合した「長者町」を散策
トリエンナーレとは3年に一度開催される芸術祭を指します(ちなみにビエンナーレは2年に一度)。2回目となる今回のテーマは「Awakening 揺れる大地——われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」です。
会場は、名古屋市内にある愛知芸術文化センターを中心とした「栄エリア」をはじめ「白川公園エリア」、「長者町エリア」、「納屋橋エリア」、「岡崎エリア」に分かれています。今回は、「長者町エリア」の作品を紹介します。
長者町は、昔から繊維の問屋街として有名な地区。その町の至るところにアート作品が展示されていて、まるで町全体が美術館のようになっているのが特徴です。地図を片手に、歩きながら作品を見ていきます。
さっそく不思議な建造物を見つけました。

打開連合設計事務所による作品。長者町ブループリント Choja-machi Blueprint,2013
実は地下鉄伏見駅の連絡通路出入口が作品になっているんです。日没後はブルーに光り、夜景も楽しめます。実際に入ることができるので、地下に降りてみます。

地下は伏見地下街となっており、様々な商店が軒を連ねます。
その前の通路や壁に、まるでトリックアートのような作品が描かれています。
「ビューポイント」と書かれた文字とスリッパのプリントを発見。上の写真もここに立って撮影してみました。
地上に戻り、長者町を歩いていると、横山裕一氏の作品をよく見かけました。例えば、どこにでもあるコインパーキング横の壁にも作品があります。
まるでグラフィティアートのように、建物の形に合わせて描かれています。実際に街や建物に合わせて作られている、ここでしか見られない作品なんだな、と気づかされます。
作品のキャプションも、看板の下にひっそりとありました!
ちなみに、最初は気づかずに横の建物に入ろうとしましたが、
こんな張り紙がしてありました。地元の人と協力して作るあいちトリエンナーレらしい光景です。

こちらもビルの外壁に描かれています。ポルトガルのリゴ23という作家の作品です。旧玉屋ビルに描かれた壁画は、1952年に名古屋で撮影された写真に映る労働者のイメージを借りたものだそうです。
全て壁画のようですが、よく見ると、
窓の部分にはしごが足されています!
細かい部分までこだわっているのがわかりますね。
歩き回って、ちょっと疲れたと思っていたら、ちょうど良いところに喫茶店がありました。昔ながらの雰囲気があるお店です。しかし、扉を見るとあいちトリエンナーレのポスターが・・・。
なんと、喫茶店の店内も展示会場の1つになっていました。コーヒーを飲みながら、ゆっくりと作品を鑑賞することができます。もちろん、注文しなくても作品を見ることができます。

今度は携帯の充電が切れそうになったので、電池を買いにスーパーへ入ると・・・。

ここにも作品が! 映像作品のインスタレーションで、商品のすぐ上に置いてあります。
また、前回のあいちトリエンナーレ2010の出展作品も見ることができました。
長者町の人々の強い希望によって、引き継がれ、今も長者町エリアを彩る景色の一部となっています。

長者町繊維街の人々へ取材し、プライベートな写真や資料をもとに制作された。

タイ出身の作家ジラユ・ルアンジェラスの連作の作品の1つ。
実は上の2つは、ベロタクシー(自転車タクシー)で移動中、運転手さんに教えてもらいました。各エリア間は無料で利用できるので、電車やバスも良いですが、ぜひベロタクシーの利用をおすすめします!
運転手さんが町や作品の解説をしてくれるので、より深くあいちトリエンナーレを楽しむことができます。
今回紹介した作品は、まだまだ展示作品の内の一部です。
長者町エリアだけでも、全ての作品を見るのに3〜4時間はかかりますが、
ここでしか見られない作品を、ぜひ一度見に行ってみてください。