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ポートレートは形にこだわり過ぎないこと

 

こんにちは。プラクティカルフォト認定講座 監修の宮木和佳子です。
暖かくなってきたので、撮影に勤しむ方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、ポートレートについてお話します。
「人物はちょっと苦手……」という方は多いと思います。
ポートレートはスナップとは違い、その人そのものを撮影するものなので、
余計に難しいと感じるのではないでしょうか?
 
生徒さんが持ってきたポートレートの作品を見て大体最初に私が思うことは、
「形にこだわり過ぎている」ということです。
 
撮影を始めたら「ここに立って」「こういうポーズして」と、
まずこのような言葉を最初に言ってはいませんか?
 
これがダメというわけではありませんが、もし自分が撮られると想像して、
撮影が始まっていきなり「ここに立って、はい、じゃ、撮るよ」となったらどうでしょうか?
 
心の準備ができてないのに、「ちょっと待って……、どうしたいいんだろう?」
そんな風に思いませんか? プロのモデルでない限り、
そこに対応するのはなかなか難しいものです。

 

モデルと意思の疎通を交わすことから始めよう

 

実は「すぐ撮り始めてしまうこと」にポートレート撮影の大きな落とし穴があるのです。
モデルが「どうしたらいいのかわからない……」そんな表情になってませんか?
普段、風景や花などを撮影している人は特にそうなのですが、
「人物はコミュニケーションから始まる」ということを忘れないでください。
 
自然な笑顔や楽しい撮影にするには、まずモデルがカメラマンに
「信頼」を置いていることが大前提です。「この人なら大丈夫そう」
「この人なら一緒にいろいろやってみようかな」そんな風に思ってもらうことが大切です。
 
カメラを持つ前に、「今日はどんな撮影にしたいか」
「まだ自分は練習段階だけど、手伝って欲しい」「いろいろ提案してほしい」
「あなたをキレイに撮ってみたい」「1枚、いいものを撮れたら!」
そんなあなたの思いをまずは伝えましょう。
 
極端に言えばその時間が1時間あってもいいのです。
コーヒーを飲みながら撮影のことを話して、笑った顔やふとした表情、
いいなと思う表情をストックしておいてもいいでしょう。
 
実力がまだ……という人は、そのことを隠してリードするよりも、
思い切って「是非手伝って欲しい」と素直に言えばいいのです。
モデルはいつでもカメラマンの指示に従おうとしてくれます。
それはあなたの一挙手一投足が意味のあるものだと思うからです。
本当は焦っている……もしそう思っているのであれば、
それは残念ながら伝わってしまいますし、当然写真にも出ます。

 

「ポートレート」は「その人」を撮るものですから、コミュニケーションが大事です。
人は物言わぬブツではありません。逆に言うと、しっかりコミュニケーションが取れていると、
モデル側から思わぬ提案があったり、自分では言いづらいことをやってくれたりもします。
しっかり「信頼感」を結ぶこと、そこからポートレート撮影は始まります。
 
 
プラクティカルフォト認定講座
 

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(プロフィール)
1980 年1 月10 日生まれ。福岡県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中からカメラマンとして活躍し「金丸茂嶺賞」を受賞。2002 年、「日韓共同開催 若手カメラマン ON & OFF」で若手カメラマン50 人に選ばれる。3 年のアシスタントを経て雑誌、広告、ファッション、アパレルビジュアルイメージ撮影、写真集出版など活躍の場所を広げる。(有)アット・ウィルに在籍しつつ、2008 年11 月に株式会社ミニーナを立ち上げ代表取締役に就任。同年には西麻布にて初の個展を開催。2011 年(株)アットウィル、(株)ミニーナを退社し完全独立。2014年4月より、プラクティカルフォト認定講座監修・講師を務める。
 

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