宮木 原稿 写真
フォトグラファーとして、様々な媒体で活躍し、2014年4月からアートフォト認定講座監修・講師を務める宮木和佳子氏。フォトグラファーとして、また講師としての経験から、カメラや写真に関する疑問に答えます。第6回目は前回に引き続き、カメラを購入する前に知っておきたい自分に合うカメラの探し方を教えてもらいます。

 
■ 「直ぐに購入」はストップ!
カタログの上手な見方教えます

 

こんにちは。アートフォト認定講座の監修・講師をしている、宮木和佳子です。
前回に引き続き、カメラ購入時に知っておきたいコツを紹介します。前回は、まず購入を決めたら「自分の中で条件を整理し、量販店で欲しいカメラのカタログをもらってくる」というところまで説明しました。後半はその続きと、このやり方がもたらすメリットについてお話します。
 
量販店の店員さんへの質問が一通り終わったら、やることは1つ! 一度帰宅するか、喫茶店にでも行きましょう。とにかく、「その場で直ぐに購入」はやめて、 ゆっくりコーヒーでも飲みながら、もらったカタログを開いてください。いろいろと難しいことが書いてありますが、センサーやスペックの説明ではなく、まずカタログの表紙や中身で使用されている写真をしげしげと眺めることが大切です!
 
当たり前ですが、カタログに使用されている写真は、その機種で撮影するのに向いている被写体です。例えばキヤノンの「EOS KISSシリーズ」などはママでも簡単に使えるという位置づけなので、お子さんの写真が多いです。それに対して、「7D markⅡ」はスポーツや動くものに特化しているので動物やバイクなどが表紙です。
 
こうして写真を眺めているだけでも、「自分の買おうとしているカメラ」と「自分がこれから撮影したいもの」が合っているのか否かが何となくわかります。カタログ全体の雰囲気もやわらかいイメージだと初心者向け、ハードだとプロ仕様かな、とわかりやすく作られています。
 
そして、基本的にカタログを開いて最初から2見開きくらいまでに、そのカメラの「売り」が書かれています。わからなくてもゆっくり読んでみてください。それが「フルサイズ」か「連写」か、それとも「初心者でも撮影しやすい」なのか、打ち出すものが違うはずです。わかる範囲で読んでいくうちに、不思議なことに段々「なんとなく私にはこれがいいかな」とあたりを付けることができます。
 
アートフォト認定講座の場合は、必ずそこまで自分でしてきてもらいます。「自分で見て、触って、カタログをもらって来てください」と言うと、最初は不安な顔をするのですが、みなさん、値段やレンズのスペックをびっしりとカタログに書き込んで、自分なりに比較して、「こっちの機種がいいと思うんですが」と言うようになってきます! もちろん、そのあとの生徒さんだけでは解決できない疑問や違いがあれば、講師が読み解いて、一緒に考えて決めています。

 
■ カメラにも愛を!
“運命の1台”を手にしよう

 

この様な手順をオススメしているのには大きな理由があります。人に勧められた(またはもらった等)の場合と、自分で調べた場合で、次のような違いが出るからです。
 
【人に勧められたまま(もしくはもらった等)購入した場合】
・そのカメラに愛着がわかない
・愛着がわかないので、カメラのことを深く知ろうとしなくなる
・苦手意識が強いまま
 
【自分で調べて購入した場合】
・購入以前に、自然に機材のことに詳しくなっている
・比較検討したので購入した機種以外のカメラの特性も把握している
・自分で機種を調べて購入できたことで、自信がつき苦手意識がなくなる
・ライフスタイルに合わせて購入しているので、無理なく撮影を続けられる
 
もちろんこれはアートフォト認定講座で、実際に生徒さんたちを見て実感した違いです。みなさん、購入時にはストラップやフィルター、カメラバックなど思い思いのものを買って、大変可愛がっています。カメラ購入1つでも、ネットでさっと見て、「なんとなく値段に合っているかな・・・」と購入してしまうのではなく、“運命の1台”を探すように下調べをしてみてください。あっという間に愛着がわきますよ!
 
撮影は愛です。
もちろんカメラにも愛です。
 
アートフォト認定講座
 

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(プロフィール)
1980 年1 月10 日生まれ。福岡県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中からカメラマンとして活躍し「金丸茂嶺賞」を受賞。2002 年、「日韓共同開催 若手カメラマン ON & OFF」で若手カメラマン50 人に選ばれる。3 年のアシスタントを経て雑誌、広告、ファッション、アパレルビジュアルイメージ撮影、写真集出版など活躍の場所を広げる。(有)アット・ウィルに在籍しつつ、2008 年11 月に株式会社ミニーナを立ち上げ代表取締役に就任。同年には西麻布にて初の個展を開催。2011 年(株)アットウィル、(株)ミニーナを退社し完全独立。2014年4月より、アートフォト認定講座監修・講師を務める。
 

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