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フォトグラファーとして、様々な媒体で活躍し、2014年4月からアートフォト認定講座監修・講師を務める宮木和佳子氏。フォトグラファーとして、また講師としての経験から、カメラや写真に関する疑問に答えます。
第5回目はカメラを購入する前に知っておきたい自分に合うカメラの探し方を教えてもらいます。

 
■ どんなカメラが必要なの?
まず基本の4つのポイントを確認しよう!

 
こんにちは。アートフォト講座監修の宮木和佳子です。
これまでは、カメラや撮影に対する考え方などを書いてきましたが、今回は少し目先を変えて、「カメラ購入」時に知っておきたいカメラ探しのコツをお教えします。
 
多くの方が日常のふとしたことから、「新しいカメラほしいなぁ」と思い始めると思います。一眼レフか、ミラーレスか迷っている方は、第一回のコラム「一眼レフとミラーレス、どっちを買えばいいの?」に詳しく判断方法が書いてあるので、ここでは触れません。実際に購入に至るまでの流れをお話しますね。
 
現在、アートフォト講座の生徒さんでもでもたくさんの方がカメラ購入を検討し、相談に来ています。だいたい「どんなカメラを買ったらいいんでしょう?」という質問から始まります。
 
そりゃそうです。「カメラ」と一口に言っても色々なクラスやレンズの違いがありますから、全くわかりません。その際、生徒さんに購入条件を整理していただくことから始めます。例えば不動産の物件探しの時には必ず「優先順位」を提示しますよね。「ユニットバスはヤダ!」とか「そんなに部屋にいないから広くなくていい」とかそれぞれお持ちの生活スタイルから自ずと導かれる条件です。
 
カメラもそれと同じことで、
①予算
②重さ
③はっきり撮影ジャンルが決まっているか否か
④どれくらい使用していく気持ちがあるか

 
大体この4つをしっかりと答えてもらいます。
 
どれもとても大事です。予算をはるかにオーバーするものは買えませんし、最初は意気込んでもカメラがあまりに重く持ち運ぶのも大変……とだんだんカメラを持ち歩かなくなる人も。撮影ジャンルがしっかり決まっている場合はボディとレンズを別々で購入したほうがいい場合もありますし、すごく望遠を効かせたい場合は、フルサイズ画質がいい、といってもAPSCをオススメすることもあります(センサーの兼ね合いで有効焦点距離が変わりますので)。
 
最後に、どれくらい撮影を続けていこうと思っているのか。お仕事利用であれば継続して撮影する可能性も高いですが、「時間があればやりたいです……」という方は講座が終わってしまうとなかなか撮影する機会がなくなってしまいます。いつの間にか埃をかぶっている、という方も多いです。
 
まず購入を決めた場合、自分の撮影スタイルや希望から、上記の4点をはっきりさせ、さらに可能なら4点のなかで優先順位を決めてください。最優先事項が「とにかく軽いもの!」という方は、検討しているカメラの重さを全部確認したり、同じ機種を持っている生徒さんに借りて肩からかけまくったという人もいます。ライブ撮影をライフワーク的にされている方は、中途半端なものを買っても買い替えが目に見えていましたし、多少値段がかかっても取り戻せるくらい、これまでにたくさん撮影してきたのを知っていたので、キャノンのEOS7DmarkⅡと、2.8通しのレンズを勧めました。この様に、個人個人でカメラ選びというのは全く別ですので、もし「カメラが欲しいなぁ」と思った際には、まず最初に上記の4点を整理しましょう。
 

 
■ カタログを片っ端からもらい、
料金をメモしてくること!

 

カメラに求める条件をはっきりさせた方は、とりあえず量販店へ行って、自分の好みに合いそうなカメラのカタログを片っ端からもらってきてください。そして、その量販店でいいので、自分が欲しいカメラ、レンズの値段をそのカタログにメモします。その際、気になることがあれば、その質問だけを店員さんにズバっと聞きましょう。
 
私もそうですが、量販店の店員さんは「何が撮りたいかも決まっておらず、値段は安いほうがよくて、人並みに使います」みたいな漠然とした条件だと何も勧められません。カメラとは本来、何かを写す道具ですから、決まってなくても、せめて「日常の風景とか、旅行の時とか」などスマートフォンで撮影しているような対象でもいいので答えられるようにしておきたいものです。
 
カメラに限った話ではありませんが、もし自分が店員だったとして、何とも言えない漠然とした条件だったら、本当は違うかもしれないのに、予算内に合う一番売りたいものを勧めることだってあるかもしれません。ですから、お互い無駄なく情報を行き来させるためにも、条件はしっかり提示するべきなのです。
 
それでは、質問が終わったら、これからがとても重要なのですが……。
続きは次号で解説いたします!
 

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(プロフィール)
1980 年1 月10 日生まれ。福岡県出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中からカメラマンとして活躍し「金丸茂嶺賞」を受賞。2002 年、「日韓共同開催 若手カメラマン ON & OFF」で若手カメラマン50 人に選ばれる。3 年のアシスタントを経て雑誌、広告、ファッション、アパレルビジュアルイメージ撮影、写真集出版など活躍の場所を広げる。(有)アット・ウィルに在籍しつつ、2008 年11 月に株式会社ミニーナを立ち上げ代表取締役に就任。同年には西麻布にて初の個展を開催。2011 年(株)アットウィル、(株)ミニーナを退社し完全独立。2014年4月より、アートフォト認定講座監修・講師を務める。
 

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